ナザレ

イエスが育った街

エルサレムから北へ車で2時間弱。エルサレム近辺の乾いた山々の景色から、辺りは緑豊かな農地に変わります。アラブ風の町並みのなかに、キリスト教の教会が点々と並んだ趣深い雰囲気。ここはマリアが受胎告知を受け、イエスが育った町、ナザレ。


受胎告知教会

イエスの母親であるマリアはナザレにて、天使ガブリエルから受胎告知を受け、処女懐胎という形でイエスを身ごもりました。マリアと婚約中であったヨセフは不信に思い、マリアとひっそり離縁しようとしましたが、天使の御告げによりマリアと結婚することを決意します。このミステリアスなストーリーにはドキドキ!しますね。ナザレにはマリアの懐胎を記念した受胎告知教会があり、世界中の人々がここに集まります。


Aの形をした屋根

カトリックの受胎告知教会の壁は、白く色合いが統一されており、見た目にも美しい教会です。屋根はなだらかな山型になっていて、少し特殊な形をしています。これはラテン語で「おめでとう マリア」を意味する「アヴェ・マリア」の文頭Aの形を模していると言われています。


ホーリーランドで屈指の美しい教会

教会に一歩入ると目に入る、高い天井、キラキラと光るステンドグラス、壁に飾られたモザイク画…。教会内は想像以上に華やかで、広々とした幻想的な空間にドキドキ!します。

この教会は中近東で最も大きな教会です。エルサレムやベツレヘムにあるイエスにまつわる教会は、重厚な雰囲気の場所が多いですが、ここは光がよく入り開放的な構造です。開放的な空間に祈りの歌が綺麗に響き、神秘的な雰囲気に包まれます。


長谷川路可作「華の聖母子」

この教会には、イエスの誕生にまつわるモザイク画が世界中から寄贈されており、庭の通路にズラリと並んでいます。一つ一つがその国の特徴を取り入れ、どれも趣向を凝らした面白い作品です。日本から寄贈されたモザイク画は他の国とは違い、庭ではなく教会内部の特別席に堂々と飾られています。作品は日本のモザイク壁画のパイオニア、長谷川路可氏の「華の聖母子」。私の背丈の何倍もある大きなモザイク画で、黄金に輝く豪華な装飾に魅了されます。そして和服を着たマリア、おかっぱ姿のイエスが新鮮で愛らしいです。これは一見の価値ありです!


イエスの父 苦悩のヨセフ像

ナザレにはイエスの父、ヨセフを記念した教会もあります。マリアの処女懐胎を物憂げに悩むヨセフ像には人間らしさがあり、心を打たれました。イエスを中心とするエルサレムとは違い、ナザレではマリアとヨセフという、イエスの家族に注目し、彼らの人間模様に想いを馳せます。彼らの人間らしさが見えてくれば、聖書の世界も少し身近に感じるかもしれません。美しい教会に魅了されに、そして聖書の世界の人間模様に想いを馳せに、ナザレを訪れてみましょう!


※ラジオエッセイ “ドキドキ!HOLY LAND STORY for you(遊)” より引用

Essay by 松井葉月 Hatsuki Matsui


ナザレを巡る旅

カトリック教会にて、マリアが天使からイエスの受胎告知を受けたとされる場所。 教会は中東において最大規模の大きさを誇る、非常に開けた美しい空間。 …

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