死海 / Dead Sea

魚も海藻もプランクトンも、自分以外の生物が全く存在しない 、静寂の湖。時には吸い込まれるような深いブルー、またある時には宝石のようなエメラルドグリーン、複雑で奥深い色合いの湖面。水際にキラキラと広がる乳白色の塩の結晶。日本の温泉を想起させる硫黄のようなツンとした香り。

ここは「死の海」、死海。
死海とはイスラエルとパレスチナとヨルダン
に面する、日本の琵琶湖程の大きさの湖です。海水の塩分濃度は3%であるところ、
死海の塩分濃度は、なんと30%!
高すぎる塩分濃度に生物が生息できず、死海/Dead Sea という地名の由来になっています。

昼間の砂漠の暑さで死海の水が蒸発するため、死海付近は雲の中に居るような景色です。
水面と空の境目がはっきりとしておらず、ブルーとエメラルドグリーンのグラデーションが広がる、幻想的な美しい景色です。

圧巻の景観に「ドキドキ」しながら海岸に近づいてみます。近づいても近づいても、雲の中にいるようなフワフワと不思議な心地です
が、果敢に進みます。
海岸に辿り着くと、遠くからみるとキラキラ美しかった塩の結晶が裸足に刺さりチクチクと痛みます。これは近づくだけでも一苦労。ビーチサンダルは必須です!

やっとの思いで死海の水に辿り着き、そっと水面を触ってみると、柔らかくトロみがあり、触り心地が良いです。死海という物騒な名前に似つかず、意外にもまろやかな優しい感覚に包まれます。

全身で入ってみると、、、
驚きで「ドキドキ!」身体がプカプカと浮かびます。
濃い塩分濃度により、無理やり身体を沈めようとしても自然に浮いてしまいます。これは人生初めての感覚です。
初めは驚きますが、慣れてくるととても楽しく、リラックスできます。
身体の力を抜いて、静かな死海に浮かんでいると、頭の中も空になって、「夢」の中に居るような心地になります。気持ち良くてずーっと浮かんでいたくなります。

死海から上がると、お肌がツルツル・スベスベ!肌に美容エキスの膜が張っているような感覚です。
ミネラルたっぷりの死海のエキスは美容に最適で、日本でも死海のエキスを使った美容のブランドが人気ですね。
本場の死海の泥で身体を覆い、自然の美容パックもすることができます。これぞ、本物のナチュラル素材を使った、大自然のエステ。
美容と健康のために、一日中死海でのんびりするのもおススメですよ!

そして、死海については悲しいこともお伝えしなくてはいけません。死海は現在、枯渇の危機に瀕しています。生活用水や産業による汲み上げにより、毎年1mずつ水位が低下しています。このままでは2050年には死海が無くなってしまうと言われています。
死海の枯渇を防ぐには、死海の周りの国々が協力する必要があります。
この美しい大自然を守るために、皆が手を取り合って進んでいけるように願っています。



※ラジオエッセイ “ドキドキ!HOLY LAND STORY for you(遊)” より引用

Essay by 松井葉月/Hatsuki Matsui

海水浴場の詳細は下記の別記事にて。

【交通手段】

エルサレムよりバス(No.421等 )またはタクシー。バスの本数が少ないので注意。

【気候】

夏場は40度以上になるので、水分補給をマメにする。帽子、日焼け止めは必須。

冬場も少し寒いが入ることができる。2月に入った経験があるが、十分に楽しめた。

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