ラジオエッセイ:ホーリーランドのグルメ
ここは、パレスチナ人の大家族のご自宅。
ご自慢のアラブ料理を振舞ってくれるとのことでお伺いしました。
素敵なご家族と囲む食卓に、嬉しくて「ドキドキ!」します。
今日のメインは、家庭料理の代表である「マクルーベ」。
おもてなし料理として振舞われる、アラブの混ぜご飯です。
大きな、底が深いお鍋に、スパイス、大きな骨付きのチキン、じゃがいもやアーモンドなどと一緒にお米を炊きます。
「マクルーベ」はアラビア語で上下逆さまという意味があります。
その名の通り、炊けたらお客さんの目の前でお鍋をひっくり返し、お皿に盛り付けます。
ふわりと立ちのぼる湯気と、部屋に広がる芳ばしいスパイスの香りに、食欲がそそられ「ドキドキ!」します。
チキンのダシがよく染みたご飯とホクホクのじゃがいもに、混ざっているアーモンドのパリパリとした食感が新鮮です。
いくらでも食べることができるほど美味しいです!
これにヨーグルトをかけて食べるのがアラブ流。
ご飯にヨーグルトをかけるのは、日本人としては慣れていませんが、スパイシーな味付けにサッパリとしたヨーグルトが良くマッチします。
付け合わせの、トロトロのモロヘイヤのスープもまた絶品!
「ザーキィ!」(アラビア語パレスチナ方言で”美味しい”)
モロヘイヤを刻んでレモンやニンニクと合わせています。
ご飯にかけたり、そのまま飲んだり、楽しみ方は様々。昔は高貴な方々しか食べることができなかったそう。
現在では私たちも気軽に食べることができるようになりました。
この時代に生まれて良かった!と思うほど、大好きなスープです。
さてお待ちかねのデザートは…
甘いシロップがたっぷり染み込んだ衣の中に、熱々トロトロのチーズ、口に含むと濃厚な甘さでうっとり…
アラブの伝統のお菓子「クナーファ」を頂きます。
この甘いクナーファに、香り高いスパイスが効いた煮出しコーヒー、「アラビックコーヒー」を合わせるのが至福のひとときです。
クナーファは、パレスチナでは各家庭の馴染みの味があるそうです。
町のクナーファ屋さんに関しても、パレスチナ人の皆さんは何処のお店が美味しいか議論をしています。
その光景がとても微笑ましいです。
私はクナーファを初めて食べた時、あまりの美味しさに胸がドキドキ高鳴りました。
みなさんもお気に入りの絶品クナーファを探しに、この地を探検してみては?
ドキドキ、for you!
※ラジオエッセイ “ドキドキ!HOLY LAND STORY for you(遊)” より引用
Essay by 松井葉月 Hatsuki Matsui