ナブルス

「リトルダマスカス」パレスチナ自治区 ナブルス

エルサレムから車で北に向かい1時間。オリーブ畑以外には何も無い、パレスチナ独特の景観をグングンと進んでいきます。小さな町をいくつか越え、たどり着いたのは山間の大都市、ナブルス。

ナブルスは現地で「リトル ダマスカス」と呼ばれています。現在のシリアの首都ダマスカスは古代中東の中心都市でした。ダマスカスは他のアラブ地域や中国などへの重要な貿易経路となっており、景観、文化、食etc. 様々な面において非常に繁栄していたと言われています。ナブルスはダマスカスと繋がっていた重要な貿易経路であり、ダマスカスをモデルに街づくりをし、さらに独自の文化を築いていきました。

 

世界一美味しいクナーファ

ナブルスで発展したパレスチナの重要な食文化のひとつが、このエッセイでも何度も登場しているアラブスイーツ「クナーファ」です。多くのパレスチナ人から“世界で一番美味しいクナーファ”と呼ばれる老舗「アル・アクサ」もナブルスにあります。クナーファが大好きな私は、早速、その“世界で一番美味しい”クナーファ屋さんを訪れてみました!

 

お店にたどり着くと、大勢の老若男女が立ってクナーファを食べている独特の風景に出会いました。私もドキドキ!しながら並んで、熱々のクナーファを受け取ります。口に含むとトロトロに溶けたヤギのチーズのコクが、他のクナーファとは一線を画しています。練乳のような奥深い甘さに感動します。さすが“世界で一番美味しいクナーファ”です!一度冷めると味わいが大きく損なわれてしまうので、「アル・アクサ」のクナーファはここでしか食べることができない、ナブルス限定の絶品グルメです。

 

ヨーロッパを席巻したナブルスソープ

さらに注目のナブルスで発展した文化のひとつが「石鹸」です。シンプルで高品質なナブルス石鹸は中世にはアラブ全域からヨーロッパを席巻し、イギリスのエリザベス1世も大絶賛したと言われています。伝統的なナブルス石鹸の成分は非常にシンプルで、名産のオリーブオイルと水、この地で採れる石灰と石灰ソーダのみで作られています。

しかし、近代の自然災害やイスラエルの占領破壊により、石鹸産業は衰退してしまいました。伝統的なナブルス石鹸を作っていた工場は以前30社程存在しましたが現在は2社のみです。ハーブや死海の泥等を配合した新しいナブルス石鹸を作る動きも出てきているため、再度発展の一途を辿ることを願います。新たなナブルス石鹸も低価格で良質なのでお土産におススメです!

 

 サマリア人が住む街

さて、みなさんは「善きサマリア人」という言葉をご存じですか?この言葉は、キリスト教のイエスの教えを元に見知らぬ人を自分の損得に関わらず助けることを意味しています。ナブルス付近にはその教えに登場するサマリア人の聖地があります。サマリア人はユダヤ教に似た戒律を持っていますが一部ユダヤ教と違う部分があるがゆえに、古代より迫害を受けてきた民族です。彼らは現在世界に700人しか存在しません。そのうちの半数がここに住んでいるため、謎のベールに包まれたサマリア人の生活を垣間見ることができる貴重な地です。サマリア人について調べると、この土地はイスラエル・パレスチナ問題のみならず、古代から迫害が繰り返されてきたことが分かり、考えさせられます。

 

 

ナブルスはその土地独自の文化に興味がある方々は必見の地です。是非訪れてみてくださいね!

 

ラジオエッセイ “ドキドキ!HOLY LAND STORY for you(遊)” より引用. Essay by 松井葉 Hatsuki Matsui

ナブルスを巡る旅

クナーファの本場、ナブルスの名店。 地元の人々が集い、かなり混雑している。 本場の熱気を味わうにはもってこいの場所。 チーズがお菓子のミルキーを…

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